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天国はまだ遠く

Tengoku

天国はまだ遠く/瀬尾まいこ(著)

現実は厳しいなぁ。

〈あらすじ〉
誰も私を知らない遠い場所へ―そして、そこで終わりにする。…はずだったけど、たどり着いた山奥の民宿で、自分の中の何かが変わった。あなたの心にじんわりしみる気鋭の作家の最新長篇。

傷心と再生。なんだか、最近、傷付いてばかりいますね。俺ではなく、俺の手にする作品の登場人物達が。この「天国はまだ遠く」は、重いテーマを取り上げた作品にもかかわらず、読み進んでいくにつれ、そのことを主人公と共に忘れていってしまう効能を持っています。いつの間にか、主人公も読者も非現実的な世界観に癒されていて、気が付いたら現実に帰ることを思い出させてくれているのです。そして、最終的には、感じ方は人それぞれだろうけど、短い中にも強いメッセージ性を感じ取ることが出来ました。

甘ったれんなよと。

でもね、この作者さん、その伝え方がとっても優しいんですよね。もしかすると、彼女の理想を描いているだけなのかも知れないけど、引き出しの少ない俺にはまだまだ出来ない芸当です。気が付いたら物事が上手くいかない、多かれ少なかれ、悩みの大小にもよりますが、これは誰にでも起こり得る事です。ドツボにハマッテさあ大変な状況は、これは確かに辛いですけどね。そんな気分の時に、あくまでも軽い気持ちこの本を読んでみるといいかも知れません。

にしてもごっつええ人やわ。

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強運の持ち主

Kyoun
強運の持ち主/瀬尾まいこ(著)

武田君大活躍。

〈あらすじ〉
元OLの売れっ子占い師、ルイーズ吉田は大忙し! ある日、物事の終末が見えるという大学生の武田君が現れる。ルイーズにもおわりの兆候が見えると言い出して…。表題作ほか3編を収録した連作短編集

ルイーズ吉田同様、俺も占いや運勢的なものはあまり信用していない。評価の良い部分だけ前向きに捉え、評価の悪い部分については「お前なんかに俺の何が分かる」と思ってしまう天邪鬼な性格だからです。

どんな人だって、弱いところはあるし、頑固なところもある。繊細だって言われれば喜ぶし、優しい人だと言われて悪い気はしない。そういう誰にでも当てはまりそうなことを、それらしく話しておけばいいのだ。いまいち腑に落ちないような顔をされたら、「あなたは気づいてないだけで」「本当の奥底に隠されたあなたはね」というような、前振りを付ければ納得してくれる。ほめてばかりでもうさんくさいから、時々強い口調で欠点を指摘しておく。それでばっちりだ。

本当にその通りだと思う。

しかしながら、占い師も人間なので、自分のことや自分の身近な人の運勢となると、急に冷静さを失ってしまうのは理解できる。近いものほど客観的に判断できなくなるのはよくあることですからね。それは、おそらく、占い師も相談する人もそれを信じない人もみんな一緒です。俺なんかは単純な性格なので、悩んでいる時やマイナス思考気味なっているときは、前向きになれる名言集で救われることが多いかな。結局は、何かを頼っているという意味では、占いも名言も大差はないのかも知れませんけどね。自分の置かれた状況に適切なコトバを自分で選び、最後に「ポンと肩を押して欲しい」だけだから。

作品自体は、相変わらず、読んでいて優しい気持ちになれるという、この作者の特色がそれなりに出ていると思う。陳腐な言葉を使うなら、癒し系小説といったところでしょうか。料理の描写とか恋人との距離感や、様々な出会いを通してゆっくりと成長していく人間の描き方に優しさが溢れているんですよね。そして、その中に強い存在感のある人物の織り交ぜ方が抜群に上手い。こんな先生の教え子達が凄く羨ましい。

俺もこの先生の生徒になりたかった。

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ROOKIES

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前向きになれるドラマでした。

現在、(突発性)前向きな物語で泣きたい症候群のお嫁さんが、TVシリーズのルーキーズを観てみたいというので、俺もその勢いに便乗してDVD全巻制覇しました。随分昔にジャンプで読んでいたのですが、大学を卒業してからというもの殆ど漫画を読まなくなっていたので、内容は殆ど失念していましたね。ギャグ漫画的な記憶は残っていたのですが、こんなに毎回目頭が熱くなるとは驚きでした。それでも、平塚はやはりツボで、彼の演技を見ては毎回大笑いしていました。とことん前向きで、傷付いて、それでも前向きで、程よくギャグもあって、市原隼人がカッコイイ、そんな印象の学園ドラマだと思います。人気から考えても、今の若い子も川藤みたいな大人を受け入れたと考えても良いのかな。

10代で夢を抱けるのは、それだけで大変素晴らしい事です。さらに、その時代に同じ夢を目指す仲間を持てることは奇跡的に幸せな人生です。俺は10代の時に夢は持っていたけれど、その夢も少しは叶ったけれど、個人スポーツの種目に身を置いていたので、団体スポーツの様な仲間意識は持てなかった。しかし、苦しい練習を乗り越えられたのはライバル達おかげだと思うし、真のライバル達はその後親友に変わった。20代になると、夢というよりも現実的な目標が必要になる。30代になった今では、より現実的に物事を捉える必要があることを痛感している。だからこそ、せめて、子ども達には夢を預けることは絶対にしないけれど、あの子達が夢を抱けるような環境や機会を少しでも多く容易してあげることが今の夢かも知れない。引き出しを増やし、その中から本気で勝負したいものを見つけてくれたら嬉しいと思う。

お嫁さんとそんな事を話しながら、2人で仲良くROOKIESを観ていました(長女も「カッコイイねー」とか言ってたな)。

12.4発売のブルーレイ買わな☆

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黄色い目の魚

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黄色い目の魚/佐藤多佳子

「一瞬の風になれ」の佐藤多佳子の作品。

〈あらすじ〉
マジになるのって、こわくない?自分の限界とか見えちゃいそうで。木島悟、16歳。世界で最高の場所は、叔父の通ちゃんのアトリエ。ずっと、ここに居られたらいいと思ってた。キライなものを、みんな閉め出して…。村田みのり、16歳。鎌倉、葉山を舞台に木島とみのり、ふたりの語りで綴られるまっすぐな気持ちと揺れる想い。

清々しい読後感でした。32歳、既婚、2児の父である俺の感想は「今時の高校生は小難しいことに悩み、傷付いているんだな」といったところでしょうか。俺が16歳の頃は、スキー、サッカー、サブカルチャー、そして異性の事に夢中で、小難しいことなんて何も考えていませんでした。何に悩んでいたのかも覚えていませんが、何かから逃げていたことはあったと思います。練習で手を抜いたり、全く勉強をしなかったり。何もかもから逃げていたかも知れないし、何事にも真剣に取り組んでいた様にも思える。親の助言に反抗したりイライラする事はなかったけれど、無能教師の説得力に欠ける指摘には怒りを露にしていたことは良い思い出です。

この作品に出てくる少年達は悩み、傷付いたりするけれど、それでも結局は良い感じだなと思ってしまいました。若者の希望に満ちた未来は本当にかけがえのないものです。これはあくまでも小説ではありますが、素直に「この子達は良い経験をしているな」と俺は思います。誰もが何かの才能に恵まれているものではありますが、早い段階でそれに気が付ける人間はとても少ないですからね。その上で、悩み、恐れ、傷付くことが出来るのは幸せなことだと思います。さらに、好きな人が出来て・・・ これはもう完璧な青春ですよ。だから面白いんです。

青春て良いね。

その感覚を楽しみたい人にはお勧めです。

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八日目の蝉

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八日目の蝉/角田光代(著)

よく分からん。

〈あらすじ〉
逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか--理性をゆるがす愛があり、罪にもそそぐ光があった。家族という枠組みの意味を探る、著者初めての長篇サスペンス。

実は、爆笑問題の太田光も大絶賛!「最後の数ページ、震えが止まらなかった」という帯のうたい文句を見てしまい、完全に読む気が失せてしまったのですが、なんとか自分を奮い立たせて読了することが出来ました。そして、俺の予想通り、太田光の言っていることは大嘘だと思った次第であります。だから、毒が大好物の俺もこいつの毒は好きになれないんだよな。帯なしの古本を買えばよかったと大後悔しました。

特定人物の勘違いはいぜれにせよ、この物語自体は、得意な女性の心情を巧みに描いた、完成度の高い作品だと思います。残念ながら「空っぽのがらんどう」の俺には理解できない愛のカタチではありますが、実際には、これに共感している読者は多かったみたいですね。それでも、俺は何も感じることが出来なかったし、「もっと自分を大切にしなくては駄目だよ、特に女の人はね」なんて事を思ってしまいました。とことん自爆して、それでも這い上がって前向きになれるなら素敵だとは思うけれど、そんなに悪くない世界をそれなりに楽しむ勇気も必要ですからね。その上で、失敗を乗り越える姿勢こそ、俺の目指したい生き方なのです。冗談半分ですが、残り半分は本気です。

言葉の暴力。これは確かにあります。でもね、やっていいことには限度があるのも確かなのです。こんな考え方しか出来ない俺が未熟者なのかも知れません。そもそも、読書は単なる趣味であり、そこに特別な意味を求めていないことに根本的な問題がありそうです。

ちょっと暴力的な作品でした。

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予定日はジミー・ペイジ

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予定日はジミー・ペイジ/角田光代

妊娠も出産も十人十色。

〈あらすじ〉
出産にはいくつものストーリーがあり、悩みと笑い、迷いと決定が詰まっているのだろう。だめ妊婦、ばんざい! 天才ロックギタリストの誕生日に母親になる予定の「私」をめぐる、切ないマタニティ日記。書き下ろし小説。

我が家の場合、長女は2歳に成ったので、約3年前のその記憶は思い出せないことが多くなってしまいました。しかし、妊娠が分かった時の嫁さんの動揺から、出産した直後に娘を抱いて「可愛い」といった著しい成長に感動した事は良く覚えています。それは、立派な言葉だったと思うし、今まで見た中で一番優しい表情でもありました。あの10ヶ月間、大した成長の果たせなかった俺に比べ、しっかり母親になっていた嫁さんは偉大だなと思いましたね。そして、今年の夏には2人目の出産を迎えたわけですが、やはり2回目の妊娠、出産となると、聞いていた以上に心の余裕が全然違いましたね。俺も自分の出来ることは多少分かっていたし、嫁さんは逞しい母親に成長していました。

この作品に登場する夫は、俺とは性格が異なるタイプの人なのですが、こういった種類の優しさや思考を持つ事も大切だと改めて思い知らされました。これから父親になる人にはお勧めの本なので「これを読んで妊婦さんの心情を理解してあげましょう」とは言いませんが、単純な恐怖だけではなく、様々な恐怖を抱えていることを理解してあげることが大切ですね。そして、訪れる感動をいつまでも大切にしましょう。

ちなみに、

俺の誕生日は、サダム・フセイン(元イラク大統領)、ペネロペ・クルス(女優)、ヤマニンスキー(競走馬)、サッカーボーイ(競走馬)

ママの誕生日は、寺尾聡(俳優)、東尾修(元野球選手)、槇原敬之(音楽家)、大迫勇也(サッカー選手)

ココの誕生日は、ウラジミール・プーチン(元ロシア大統領)、氷室恭介(音楽家)、トム・ヨーク(音楽家)、生田斗真(俳優)

ナツの誕生日は、アーネスト・ヘミングウェイ(小説家)、ロビン・ウィリアムス(俳優)、岩崎恭子(元水泳選手)、船越英一郎(俳優)

と一緒です。

俺だけ微妙w

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戸村飯店青春100連発

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戸村飯店青春100連発/瀬尾まいこ(著)

目から汗が・・・

〈あらすじ〉
大阪の下町に在る戸村飯店の2人の息子は、性格も容姿もまるで正反対。東京、大阪と離れて暮らす兄弟が、再開をきっかけに人生を見つめ直していく。一番大切なものは近すぎて見えないもの。単純で馬鹿でかっこわるいけどかっこいい男子の姿を見事に描いた、瀬尾まいこ、渾身の一作。

笑いと涙が100連発で最高に面白かった。完全に俺の好きなタイプの作品です。横道世之介も愛すべき登場人物でしたが、この戸村兄弟も負けず劣らずの愛すべき登場人物でした。作者特有の視線で描く少年達の物語ですが、彼らの言動がとても現実的であり、読んでいて懐かしさを覚えると共に、とてつもなく爽やかな気持ちになりました。また、彼らをしっかりと見つめる両親の描き方も現実的で、自分の特色を上手く活かしているなと感心しました。大阪の描き方については、実際に暮らした経験がないので詳しい事は分かりませんが、何となく「東京とは空気が異なる世界が其処にはあるのだろうな」ということは想像する事が出来ました。兎に角、理屈抜きに楽しくて、残りのページが減っていくに連れて、段々と名残惜しい気持ちが強くなってくるお話でした。

ところで、私も32歳になりましたが、一体、何歳くらいになるまで、こいったさわやかな青春ものに心奪われ続けるのでしょうか。何歳になっても、若者に広がる未来の可能性に、こちらの胸までもが高まるものなのでしょうか。問答無用で。今のところ、その症状は治まることを知りません。それがいつまでも続いて欲しいなとも思います。そして、この作者さんには、そう思えるような作品を書き続けて欲しいなと思います。

超お勧めやで!

あっ、超は使わないかw

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7月24日通り

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7月24日通り/吉田修一(著)

腑に落ちたよ。

〈あらすじ〉
普通の女には、平凡な未来しかないのかな? でも、一度くらいはドラマみたいな恋をしてみたい-。間違ってもいいから、この恋を選ぶ。そう思ったこと、ありませんか? 「東京湾景」の著者がおくる長編ラブストーリー。

主人公が、ポルトガルのリスボンを自分の住む片田舎の街に重ね、公園などにも名前をつけているのが面白かったですね。俺がマンチェスターに住んでいた頃、ポルトガルで開催された欧州選手権を観戦する為に、リスボンを拠点としてポルトガルを駆け巡った懐かしい夏の記憶が蘇りました。僅かな隙を見つけては、欧州をブラブラしていたあの頃ですが、リスボンは欧州でも2番目に好きな街だったかも知れません(1番は言うまでもありませんが、敢えて言おう、マンチェスターだと)。リスボンの薄暗い旧市街を抜けて強い日差しを浴びながら海岸が広がる景色等は最高でした。ポルトの眼下に河口が広がる坂の街的な雰囲気も良かったけれど、ほろ酔いでリスボンの旧市街を目的も無くブラブラするのがとても楽しかったです。そして、(オリーブオイルに胃がやられたけど)食べ物も美味しい(到着初日にカステラにあたった人もいましたが><)。

肝心の物語についての感想ですが、吉田修一の描く女性像を、女の人はどう感じのかなと素朴な疑問を抱きました。男の俺には「ああそんなもんなのか」くらいにしか思えないのですが、女の人からすると「ああわかるわかる」と思うのでしょうかね。特に、10個の診断項目に多く当て嵌まる人は。この診断を用いた結びへの運び方はとても上手だなと思いました。とても良くトンチが利いています。ちなみに、虫が嫌いな俺はアウトドアが苦手というか得意ではないので、診断項目に1つは引っかかりますね。また、「間違えたくない」と考えるタイプではありますが、往々にして間違いを犯している事が多いタイプの人間です。反省ばかりしている様なw

第1回吉田修一強化月間終了。

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東京湾景

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東京湾景/吉田修一(著)

何故か好きになれない。

〈あらすじ〉
つまらないきっかけから、出会いサイトに登録した亮介は「凉子」と名乗る女性と出会う。文字通り本当に火傷を負う狂おしいくらいの恋愛をしてきた亮介と、恋愛など信じていない「凉子」という偽名を使い続ける美緒。次第に惹かれ合っていき、密な関係へと発展していくように思えるものの、実は歯車は互いに反対の方向へと動いていた…。

上手くというか手堅くまとめた恋愛小説だなと思いました。品川埠頭側から見たお台場の印象の描き方等は、あいかわらず見事なタッチですねと感心しましたが、東京で暮らす登場人物の描き方があまり好きではありませんでしたね。理由は上手く説明できないけれど、俺には好きになれないタイプの人間達の物語だと思いました(かといって嫌いなわけでもありません)。しかしながら、出会い系サイトで知り合った2人が~といった、程度の低い設定のお話ですが、それを感じさせない筆力は素晴らしいとは思います。そして、またしても線を引きたくなるような名言が在りましたので、勝手ではありますが、今回は俺がとても気に入ったそれらを紹介します。

「違いの分かる男になるためには、ひとつじゃなくてふたつ知ればいい」  「なるほど、消去法でただひとつ残ったのが○○ちゃんなんだ」

的確でわかり易い。

「恋愛小説家」や「りんかい線」の使い方なども巧いの一言でした。

ちなみに、

月9は大失敗作だったらしいw

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CSKA Moscow 0 - 1 Man Utd

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勝負強いの一言に尽きる。

まるで、親善試合の様な雰囲気の中で行われた試合でしたが、86分のバレンシアのゴールによって、貴重な勝点3を捥ぎ取ることに成功しました。引き分け狙いのCSKAと引き分けでも悪くはないユナイテッドの思惑が反映され過ぎた試合でしたが、マイケル・オーウェンの投入によって、このまま引き分けでは納得しないという、サー・アレックスのメッセージが伝わった結果なのでしょうか。気温やピッチの不安があるので(実際にファビオが負傷)、無理な身のこなしをする必要はないことを伝えてはいたのかも知れませんが、それでも勝つことを諦めない監督の姿勢には痺れますね。それに応えた選手も見事です。

絶賛確変中のバレンシアですが、位置取りを意識的に変えてきていますね。外に張り付くだけが取り柄の典型的なウインガーから脱皮し、自分自身のユナイテッドでの存在価値を高める動きを想像よりも早く身に付けてしまうのですから、才能に溢れる非常に頭の良い選手であることは間違いなさそうですね。バランスを考えながらのプレーを選択していた時間帯と、明確に勝ちを狙いにいった時のポジショニングの変化を見ていても、頭が良い選手なのだなと感心していました。あのままでは、また物足りないとか積極性に欠けるなんて批判を受けた可能性もありますが、2試合連続での活躍で評価も変わってくると思います。

それに引き換えナニ・・・
改善も見られるのは確かだと思うのですが、ディミは完全にキレていましたね。最後の方は完全にフリーのナニを無視してましたからw 得点の場面では、無理やり上げた?ナニの可能性の低いクロスをディミが完璧にコントロールし、それを誰よりも速く感じ取っていたバレンシアが右脚一閃。それでも自分を称えていたナニは微笑ましいです。物凄く前向きな性格なのは素晴らしい事ではありますが、もう少し落ち着いてチームメイトの動きを見ないといけません。あまりにもタイミングのズレたパスミスを連発し過ぎです。急に視野が広くなるとは思いませんが、若いのですから、もっともっと頭を使わないといけませんね。いいものを持っているだけに残念です。

CL3連勝、PL首位。

悪くないな。

不安はリオの不調のみ。

大きな大きな不安だな><

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日曜日たち

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日曜日たち/吉田修一(著

心に沁みた。

〈あらすじ〉
ありふれた「日曜日」。だが、5人の若者にとっては、特別な日曜日だった。都会の喧騒と鬱屈した毎日のなかで、疲れながら、もがきながらも生きていく男女の姿を描いた5つのストーリー。そしてそれぞれの過去をつなぐ不思議な小学生の兄弟。ふたりに秘められた真実とは。絡みあい交錯しあう、連作短編集の傑作。

正直言って、そこまで巧い連作短編集ではないと思う。しかしながら、この作品が5編から成る連作短編集ではなく、実は6つのストーリーから成る連作短編集だと考えると、これはなかなか巧い。序盤は得意の低空飛行が続きますが、個人的にはこの部分が吉田作品の醍醐味だと思っています。そして、それが単なる日曜日の回想短編集ではないことを思い知らされます。現代人の不安を的確に描いてしまう大胆さも相変わらずですね。最近、狂った様に吉田修一ばかり読んでいるので、いつの間にか楽しみ方のコツを極めてきたのかな。

悪くない読後感です。

希望って大切だなと再確認。

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パレード

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パレード/吉田修一(著)

驚いたよ。

〈あらすじ〉
5人の若者の奇妙な2LDK共同生活を描いた青春小説。いつの時代も現実は厳しい。でもふさわしい自分を演じればそこは、誰もが入れる天国になる。杉本良介21歳、H大学経済学部3年。大垣内琴美23歳、無職。小窪サトル18歳、「夜のお仕事」に勤務。相馬未来24歳、イラストレーター兼雑貨屋店長。伊原直輝28歳、インディペンデントの映画配給会社勤務。5人の生活がオムニバスで綴られる。

「良い感じでゆるい小説だなぁ、吉田修一の描く、こんな感じの東京での共同生活物語面白いなぁ」なんて思いながら読んでいたので、それはもう驚きましたよ。「あれあれ、物語が暗黒面に振れてきたな」と思っていた矢先の衝撃でしたからね。こんな物語を、まるで現実にあり得るかのように書いてしまう吉田修一は、俺が考えていたよりも遥かに上を行く恐ろしい人なのかも知れません。仮面なんてものはある程度は誰でも被っているというか、社会に順応する為には被る必要があるものなので、実際には何を考えているのかわからない。こんな事はよくある話なので特に驚きません。少しだけがっかりするくらいです。しかしながら、実はそれ以上の素顔を持っていたとしたら驚きますよね。驚いて、そして怖くなります。この「パレード」はそんなお話かも知れません。

痛いところをガンガン攻めます。

的確に。

凄い作家だと再確認。

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さよなら渓谷

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さよなら渓谷/吉田修一(著)

難しかった。

〈あらすじ〉
きっかけは隣家で起こった(秋田の事件をモチーフにした)幼児殺人事件だった。その偶然が、どこにでもいそうな若夫婦が抱えるとてつもない秘密を暴き出す。取材に訪れた記者が探り当てた、15年前の“ある事件”。長い歳月を経て、“被害者”と“加害者”を結びつけた残酷すぎる真実とは・・・

「悪人」に続き、東京の日常を描いた作品ではなく、ある犯罪の加害者と被害者の心理描写に力を注いだ社会派系の作品です。これは、俺の安易な推測ではありますが、この頃の吉田修一は迷っていたのかも知れません。あるいは試していたのか。

シンプルで的確な文章は相変わらず巧いですし、怖いくらいに現実的だと思います。しかしながら、この作品に関しては「本当に楽しみながら書いていたのかな」という素朴な疑問が湧いてきますね。対照的に、「横道世之介」は作者自身が楽しんでいたと思いますし、何でも無い様な東京の日常の描写と重苦しい社会問題の織り交ぜ方のバランスが完璧だったと思います。そして迷いがない。「悪人」も十分重かったけれど、恐らくこの時は迷いがない分「さよなら渓谷」よりは出来が良かったと思う。

良く出来ているけど気合不足。

重いのに気合不足。

気合入れてゆるいの書いてくれ。

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悪人

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悪人/吉田修一(著)

リアルだ。

〈あらすじ〉
保険外交員の女が殺害された。捜査線上に浮かぶ男。彼と出会ったもう一人の女。加害者と被害者、それぞれの家族たち。群像劇は、逃亡劇から純愛劇へ。なぜ、事件は起きたのか?なぜ、二人は逃げ続けるのか?そして、悪人とはいったい誰なのか。

「悪人」を読んで分かりました。この作家さん、何でも書けるんですね。そして、何を書いても現実的であり、どの登場人物の心情やどの行動をとっても現実味が感じられます。凄まじい人間観察力であり、それを美しい日本語で的確に表現できる能力が抜群に高いです。ここまで人物描写が素晴らしいサスペンスは滅多にお目にかかれませんね。

会話部分を九州弁で書き上げたのは、彼の故郷への愛が感じられて良かったですし、物語の登場人物の存在感が際立っていたと思います。それが分かりにくい時もあるのですが、これが九州で起こっている事件なのだという事を肌で感じんることが出来ました。地方の閉塞感を表現するには完璧な作戦ですし、罪を犯してしまう人間のリアルな心情をリアルな方言で言い表せられると、これはとてつもなく大きな力となって読み手の感情を揺さぶりますね。

本当に犯人は悪人なのか、それともそれを装っているのか。あるいはその両方なのか。また、本当の悪人とは誰なのか。何をすれば本当の悪人と呼べるのか。確かなことは、作者がタイトルで遊んだということのみかな。してやったりですね。

でも、舞台は東京が好きだな。

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Man Utd 2 - 1 Bolton

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サイド初制圧。

今シーズン初めて、マンチェスター・ユナイテッドのサイド攻撃が機能しましたね。エブラ-ギッグスの左サイドが効果的に機能することはありましたが、この試合のように両サイドが相手チームを圧倒するのは(ロナウド放出後)初めてでした。何故か、それはバレンシアが的確な位置取りを感覚的に掴み始めた事、そして、彼の後ろがなんとか調子を取り戻しつつあるギャリーだったことに理由があると思います。さらに、バレンシアが突如気を使い過ぎる事を止め、積極的なプレーを選択する様になったことが大きいですね。こういったプレーを続け、ギャリーが一定水準以上のペースで試合に出場できれば、もしかするともしかするかな。

それにしても、ファン・デル・サールが居るだけで、DFラインの選手も観ている側にしても、安心感が全然違いますね。彼が居るだけでヴィダの不在を感じさせませんからね。オランダ代表が抱える問題と同様の問題を抱えている事を露呈した事は確かですが、ファン・デル・サール、ギッグス、ギャリーのベテラン選手にはもう少し頑張ってもらうしかないのかな。当人達のやる気と体調が高い次元で維持出来るのならば。あれ、スコールズは>< って冗談ですが、この試合もCMFの出来がイマイチ物足りなかったですね。やはり、基本的にフレッチャーが居ないと誰が出ても駄目なのかも知れませんね。

この試合では、バレンシアだけでなく、ディミにも今までにない積極性がみられた事が嬉しかったです。自分を変えようとしている強い意志が感じられるようになったのは大きな成長と言えるでしょう。70分間しか持たない体力も大目に見ますよ、あの積極性をその限られた時間の中で見せてくれるのなら。残り20分は新ジョーカーの7番に任せれば役割分担としては完璧でしょう。あくまでも、これを遂行するには体調万全のルーニーが欠かせませんが。結果的に1点差まで追い詰められ、怒涛のパワープレーに苦しめられましたが、この試合の内容自体はむしろ良かったと思うというのが個人的な感想です。ヤースケライネンが当たり過ぎていた事を恨むか、決め切れなかった選手自信が反省するのか、その辺は選手達の判断にお任せですね。

次はソ連か・・・

思い出の地で無理しないように。

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横道世之介

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横道世之介/吉田修一(著)

2009年度No.1かも。

世之介の生涯を語るナレーション形式の文体が非常に斬新でしたし(いきなり~らしいで始まるw)、そこにカットインしてくる現在の織り交ぜ方が完璧ですね。見事な構成だと思います。東京で過ごした大学生時代、あんなにも長く1年が感じられたのに、年を重ねるにつれ、あっというまに月日は流れていく。世之介のまわりの人々が、20年後に世之介をふと思い出すシーンは、どれも1980年代と2000年代の社会情勢や彼らの生活の変化が上手く描かれており、読者の知りたい彼の輪郭を埋めています。久しぶりに残りページが少なくなっていく事に寂しさを覚えました。こういった感覚は1年に1回あるかないかです。

なんでもない、長崎出身の若者が東京で大学生活を始める、ありきたりの日常が描かれているのですが、本当にその表現が上手いと思います。そんな人生を経験した人間には本当によく理解できます。たった数行で目頭が熱くなるようなメッセージ性の強い文章も素晴らしいですし、それらの中には本気でラインを引きたくなる様な素晴らしい表現がありました(例えば「焼き場に立つ少年」の件なんて、原爆の悲惨さを伝える最高の文章表現だと思う)。声を出して笑いそうになったり、思わず涙がこぼれそうになったり。何時の間にか、主人公を好きになっていた自分に驚いています。今後、吉田修一の新刊が発売される度に必ず初版本を買うことを誓います。

これはマジでお勧めです。

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初恋温泉

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初恋温泉/吉田修一(著)

ユルさが良い。

テーマは男女のズレで、日常と違う温泉宿という舞台でそのズレを際立たせようとした5編の短編集です。相変わらずの投げっ放しスタイルではありますが、個人的には、こういった感じの余韻に浸るのも悪くないなと思いますね。深い意味を求めずに温泉に浸かり、ただひたすらまったりと湯上りの余韻を楽しむ。

『初恋温泉』収録作品
・初恋温泉(@熱海「蓬莱」)
・白雪温泉(@青森「青荷温泉」)
・ためらいの湯(@京都「祇園 畑中」)
・風来温泉(@那須「二期倶楽部」)
・純情温泉(@黒川「南城苑」)

熱海の蓬莱は泊まってみたいと以前から思っていた旅館です。我が家に様々な余裕が出来たら狙ってみたいですね。那須の二期倶楽部は近すぎて魅力を感じませんが、そんなに予約の取れない宿だったとは知りませんでしたね。全然泊まりたいとも訪れたいとも思いませんが、白雪温泉(@青森「青荷温泉」)のお話は、何故か優しい気持ちになれて良かったです。

淡々としていますが、日常を現実的に描くところが上手いですね。最近では一番お気に入りの作家さんかも知れません。何回もこんなことを言っているので、全くもって説得力に欠ける事は承知しています。しかしながら、吉田修一の作品は、(俺の様な地方出身者が)東京で大学生活を始め、大学卒業後に東京で就職、そして東京生活を満喫した経験がある人にはツボなんですよね。凄く共感できるような東京性活の描き方をするし、そして、何よりも東京への愛を感じます。この辺の全てが俺にはツボです。シンプルだけど的確な巧い表現も好きだし、スタイリッシュな文章にも憧れます。

コンプリートするかな。

アマゾンの古本なら1円+送料だしw

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時生

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時生/東野圭吾(著)

清々しい。

現在では有効な治療法が無く、不治の病と言われるグレゴリウス症候群(架空の病気)に侵され、今まさに息をひきとりゆく息子。その時、夫は妻に語り始める。ずっと昔、自分が若かった頃、俺は息子に会っているんだ・・・

この作品、2児の父である俺としては、実は涙が出るくらい切ないお話です。冒頭部で、上記の様な結末が描かれていますので、殆ど話の読める展開な筈なのですが、息子の清々しさにグイグイ引き込まれてしまいました。いつもの様なミステリー仕立ての作風ではないので、所謂「謎解き」はありませんが、親子の絆を主題としたファンタジー的な作品もなかなか良いですね。正確なジャンル分けは出来ないけれど、結局のところ東野圭吾は何を書いても上手いということか。しかもこの作品に関しては、最後まで凄く丁寧に書いてあることに感心しました。「完全に狙ってやがる」と言いたくなりましたね。

良い読後感です。

優しい気持ちになりました。

とても切ないけれど。

卵が先か鶏が先かは不問。

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なぎらツイスター

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なぎらツイスター/戸梶圭太(著)

確かにガイ・リッチーでした。

物語の舞台がイングランドではなく日本の群馬県だという点は大きく異なりますが、コメディタッチのバイオレンスな群像劇というところは、マドンナの元旦那の映画と非常に良く似ていますね。あまりにも的確に地方都市の抱える社会問題を捉えているので、読む人によっては気分を害する可能性も否定できませんが、ギャグ小説として割り切って読めばかなり面白い群像劇だと思います。スピード感も抜群ですし、地方のヤクザやヤンキーが堂々とダサい面を曝け出してしまうところが笑えます。かなりのブラックジョークではありますが笑えます。

この「作者の地方の衰退を見下ろした感じと軽蔑」は、本心なのかネタなのか、あるいは両方なのか分かりませんが、まるで漫画の様な作風はツボでした。漫画みたいだけれども安っぽさを感じさせないバランス感覚に優れたところが好きです。本当にロックストック並みに、というか単純にパクっているのかも知れませんが、胡散臭い登場人物達の繰り広げるドタバタ劇を、最後は綺麗に上手く纏めたなと感心しました。広げるだけ広げて最後はシリツボミになる群像劇が多いだけに、この作品はランディングを良い感じに決めたなと思います。

他の作品も読んでみるかな。

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真夜中の5分前 side-A

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真夜中の5分前 side-A/本多孝好(著)

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真夜中の5分前 side-B/本多孝好(著)

これは村上春樹?

とても読み易く、美しい文章で、なかなか面白い恋愛小説だったのですが、「これは簡易型ノルウェイの森現代解釈版か?」なんて事も思ってしまいました。主人公の他人とは一定の距離を置くスタイルや思考回路、恋人の死、そして喪失からの復帰という物語の設定が「ノルウェイの森」に類似しています。本多孝好としては完全に狙って書いた、確信犯的作品だとは思いますが、これを直木賞の候補に挙げた選考委員の判断は理解できませんね。村上春樹に賞をあげそこなった失敗が響いているのかな。

この作品は、side-A(上)とside-B(下)に分かれており、それぞれページ数は少ないけれど、それなりの意図があってAとBに分けたのだろうと思います。悪くはないけれど無理して読む必要もなかった。これが正直な感想でしょうか。個人的には、それなりの意図があったとしても、side-Aだけで完結しておけば良かったのになと思いました。

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MOMENT

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MOMENT/本多孝好(著)

最初に「MOMENT」を読んでいたら、本多孝好の本を読むのはこれが最後になっていたかも知れない。なんてことを言うと大袈裟かも知れませんが、「WILL」がかなり良かっただけに、そんなことを思ってしまいました。作者が成長しているということは確かだと思うし、文体は極めて美しく、この作品が決して駄作ではないと思うのですが、「最後まで浮上する事のない低空飛行」にもどかしさを感じました。敢えてそういった雰囲気に仕上たのかも知れませんが。

主人公である神田のアルバイト先の病院には、こんな噂があった。「死に際の人間の願いを叶えてくれる人がいる」という必殺仕事人伝説。院内の清掃員として働きながら、様々な患者と接触する神田は、ひょんな事から、その噂の人物、必殺仕事人の役を引き受ける事になった。もう死ぬと分かっている人間が、最後に一つ願う事、それは華々しい物ばかりとは限らない。「人間は最後に何を考えると思う?」投げかけられた言葉を胸に、清掃員神田は患者の最後の望みを叶えるために奔走する。

この様に、重い主題を採りあげた物語ではありますが、この作者の特徴である主人公や文章から感じられる透明度の高さによって、人の「死」について綺麗に書いているなと思います。死を迎える患者達の願いも現実的にあり得そうな話であり、最後の望みでさえも、恨みや怒りや虚しさに当てる彼らの荒んだ心が、とてもリアルに表現されていて、読んでいてそこにかなり引き込まれました。さらに、幼馴染にしてヒロインの森野は葬儀屋ですから、「どんだけ暗い設定なんだよ」と笑いたくなってしまいますが、それを読み手に感じさせない筆力は凄いと思います。主人公の性格同様、静かで心落ち着く作品であり、その中にも静かな強い意志と優しさを感じました。

でもやっぱ重いな。

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熱帯魚

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熱帯魚/吉田修一(著)

初めて吉田修一の作品を読みましたが、この人の文章は結構好きかも知れません。何が好きなのか具体的に説明出来ませんが、人間の嫌な部分を躊躇無く書いてしまうところや、人と人との距離感を描くのがとても上手い作家だと思いました。

この短編集の表題作である「熱帯魚」は、主人公の大輔は、いずれ結婚をするであろうと思い込んでいる真実とその連れ子・小麦と、元兄弟で無職の光男、彼ら3人を大工の仕事で養っています。ある日、ボーナスを手にした大輔は、3人に「プーケットへ旅行へ連れてってやる」と言ってやったのに、あろう事か光男はその金を持って家出してしまいました。「さあ、いったいどうしでしょうか大輔君?」というお話ですね。多分。親切にと思ってやっている事が迷惑になってしまったりする事はありがちな事だと思いますが、寂しさを紛らわすために親切によって人を集めるという発想は思いつきませんでした。また、これは男性読者としての意見ですが、熱帯魚に登場する女性に性的な魅力を感じられたのは楽しかったです。

2番目の「グリーンピース」の主人公の思考回路は面白かったですね。女の人が読んだらかなり嫌な男の話なのかも知れませんが、天邪鬼な彼から発せられる台詞がとても面白いなあと思いました。「嫌な場面や台詞であっても、品を落とさずに書ける」ところも素晴らしい才能だと思います。「読んだ手紙をもう一度読み返すようなセックス」は久しぶりに本に線を引きたくなるような完璧な表現だと思いました。実際には線なんて引いた事ありませんが。

3番目の「突風」は、ページ数は3つの中で一番少ないけれど、個人的にはこの主人公がベストです。3つの作品に登場する主人公の全てが突拍子が無く、衝動に駆られて行動する人間という意味では共通していると思いますが、その中でもこの主人公がNo.1ですね。彼の採る行動は、何を考えてるんだこいつはと思われがちかもしれませんが、俺にはとてもよく理解できてしまいました。太宰治の「人間失格」の様に、誰にでも当て嵌まることなのかもしれませんが、それでも俺にはよく理解できるよと思ってしまいました。

吉田修一、かなり良い感じです。後に芥川賞を受賞したのも納得できます。芥川賞作家、直木賞作家の中に納得できない作者がいるとも、それらの中に納得できない作品があるとも言ってませんよ。嫁さんの肥やし文庫に「パークライフ」があったから後で読んでみようかな。

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WILL

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WILL/本多孝好(著)

久々にウルッときた☆

以前、伊坂幸太郎が本田孝好を称賛している記事をネットで見かけたので、試しに読んでみるかなくらいの軽い気持ちで「WILL」を買ってみたのですが、伊坂幸太郎の称賛を鵜呑みにして正解でした。恐らく、過去の作品も読んでみると思うし、これから最新刊が出る度に買い続ける作家だと思います。作品自体、純粋に上手いなと感心しましたし、なんといっても、読んでいる人の心に響く、とても綺麗でシンプルかつ的確文章を書くのが特徴だなと思いました。

この作品は、18歳の時に事故で両親を亡くし、家業の葬儀屋を継いだ森野の視点で描かれており、主人公が仕事で関わった死者を媒介にした不思議な事件を解決していく物語となっています。読み始めは、少し重い設定なのかなとも思ったのですが、作者の美しくテンポの良い文章のおかげで、そういった不安は直ぐに忘れてしまいました。重いテーマだけれども、それを感じさせないくらい爽やか。また、主人公の強い癖のある性格から発せられる、キレの良い厳しい口調が印象的で面白い物語なのですが、その中にある彼女の優しさの魅せ方もかなり上手いです。ツンデレ気味というかなんというか。そして、オチというか物語の絞め方が綺麗なので、心地良い読後感を味わう事が出来ました。長い伏線ではあったけれど。

「WILL」は、2002年に刊行された「MOMENT」の姉妹編という事なので、とりあえず次はそれを読んでみようかと思います。そういえば、WILLの中で「文豪具屋の倅が命が尽きかけている患者の願いを1つだけ叶える仕事がなんたらかんたら」と言っていた様な気がするな・・・ もしかして読む順番ミスったかな。

作家の読書道:第22回本田孝好

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Man Utd 2 - 2 Sunderland

最悪。

せめてもの救いは負けなかった事。

頼みのルーニーとエブラに休みが必要かも。

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卒業

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卒業/東野圭吾(著)

加賀恭一郎シリーズの最新作である新参者が面白かったので、彼のデビュー作を読んでみました。

この作品は、大学生の加賀恭一郎が、彼と同じ大学に通う高校時代からの仲間に起こった事件のトリックと動機を明らかにしていくお話です。後の敏腕刑事となる加賀恭一郎の原点を知る為には、やはりこのシリーズ第1弾を読んで良かったと思います。発刊日が1986年なので、物語の時代背景にやや古臭さを感じましたが、刊行当時の世の中の価値観を知る事が出来たと前向きに考えるべきなのかも知れません。

サブタイトルである、雪月花殺人ゲームのトリックについては、(加賀の惚れた沙都子の様に)理解するのに少し頭が痛くなりました。この辺の緻密さは流石だと思いますし、加賀恭一郎の慧眼も素晴らしいとは思いましたが、やはり作者も加賀恭一郎も成長しているのだとも思いましたね。特に今は、新参者を読んだ後なので、とても強くそう思います(20代で「卒業」を書き上げた能力は天才的だと認めた上で)。キレだけではなく深みが増しているいることを実感しました。

南沢雅子の気持ちが良く分かる。

これを若い作者が理解していた事が凄い。

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日経平均25%削減

TOPIXが世界ワースト1位に(Bloomberg)

閣僚の資本主義に逆行する発言が原因となり、9月の月間パフォーマンスは、TOPIXが世界の主要株価指数の中で最も悪くなった(30日の日本株取引終了時点)。欧米を中心とした世界の株式相場の上昇基調が続く中、日本株は 中期的なトレンド線を割り込んで調整局面入りの様相。鳩山新政権の政策不安や、為替相場の 円高傾向などが重しとなっている。

まさかとは思うけれど、鳩山総理は、閣僚が立場を考えずに好きなことを発言し、TOPIXが世界最低とか株価の低迷したとしても、これが日本の景気には関係ないとか思ってるわけではないですよね。TOPIXは、東証市場第一部上場全銘柄を指数化したものであり、日本の全産業の株価の時価総額の変動を知る重要な指数です。この騰落率が世界ワースト1位ということは、「世界的に見ても日本の景気の先行きに期待が持てない」と全世界の機関投資家や個人投資家は判断した事になります。

また、株価の低迷は投資家だけではなく、国民全体に影響が及びます。 国民年金、厚生年金、生命保険、企業の退職金は株や債券で運用されています。 株価が低下してしますと、これが目減りしてしまいます。 さらに、不用意な発言で株価が低迷する事によって、銀行の財務体質は悪化してしまうのは明らかです。そして、銀行の財務体質が悪化すると、企業や個人への融資が厳しくなり、貸し渋り、貸し剥がしが横行する事になります。資金繰りが悪化した場合、ウチの様な体力のない小規模企業はひとたまりもありません。 簡単にふっ飛びますね。


つまり、株価の低迷は日本国民全員にとって他人事ではありません。

鳩山内閣の閣僚達は、この辺の事を理解して発言をしているのか非常に疑問。先行きは不透明ではありますが、一応日本という極東の小さな島国は、世界でも有数の経済大国だということを認識していらっしゃるのでしょうか。友愛は素晴らしい理念だと思いますが、まずは景気対策を迅速かつ的確に行わなければ、理想の政治なんて何も出来なくなってしまいますよ。今の日本経済には、新政権を生温かく長い目でみている余裕はないですし、失敗を絶えうる体力も残っていません。これが現実です。

ドル/円が89.40円に下落、藤井財務相発言で

これもワザとやっているとしか思えないし、不勉強な俺にはその意図も分からないです。為替介入に否定的な見解を繰り返していた藤井財務相は同日の閣議後の記者会見で、 「(為替が)異常に動いたら、しかるべき措置をとる。(今の円高は)少し急激すぎる」と述べ、 円売り・ドル買い介入の可能性を示唆し、 この「口先介入」に市場は敏感に反応。同日の東京外国為替市場の円相場は4営業日ぶりに 円安・ドル高に振れたばっかなのにな。

やれやれだな。

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Man Utd 2 - 1 Wolfsburg

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まあまあかな。

またしてもギッグス神に助けられました。後半55分のヴォルフスブルグの先制点によって、ユナイテッドにとっては1点を追う厳しい試合展開となりましたが、この試合を救ったのもギッグスのラッキーなFKでした。何度か決定機を創りながらも、なかなかゴールを奪う事が出来ませんでしたが、入る時は簡単に入ってしまうものですね。解説を務めた粕谷氏の言葉を借りれば「今季のギッグスの左足は何かを持っている」ということになりますかね。キャリックの逆転弾も、結局、ギッグスの丁寧な落しから生まれたゴールでしたから、この試合もギッグス様様としか言い様がないのかも知れませんね。ついに、底なしのMPを手に入れちまったか。

前半早々に負傷交代?で退いたオーウェンの状態も心配ですね。前半開始からユナイテッドは10人で戦っており、1人少なくておかしいなとは思っていたのですが、まさか速攻で怪我をしている選手がいたとは驚きです。これなら、立ち上がりからヴォルフスブルグに流れを掴まれてしまっても仕方がないのかなと思いました。大した怪我でなければ良いのですが、「これからずっと怪我と付き合わなくてはならない」オーウェンは気の毒ですね。シティ戦の大活躍は記憶に新しいところなので、怪我の再発は本当に残念でなりません。頑張れオーウェン!

さあ、これでCLはグループリーグで2連勝。今後の戦い方が有利になりました。これで、寒い寒いモスクワで無理をする必要もなくなったかと思ったのですが、残念ながら、CSKAはトルコのチームに勝ってしまいましたね。ちなみに、モスクワの年間平均気温を調べてみると、10月21日は平均6℃、最低2℃となっています><その4日後がアウェーのリバプール戦ですから、サー・アレックスがどの様な判断を下すのか楽しみです。どちらも勝ちにいく事は間違いないですけどね。

そろそろ圧勝の試合がみたいです。

ルーニーのハットとかね。

※長谷部はアシストは見事でしたがミスが多い。

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